吉澤嘉代子さんのミニアルバム「若草」と「六花」をまとめて買ったんですが、「六花」のほうが好みだったのでこちらの紹介をしていきます。
吉澤嘉代子さんといえば「魔女見習い中」なわけですが(^_^;)
シンガーソングライターとしての特色でいうと
「コミカル」な面、「ファンタジック、メルヘン」な面がどちらもあり
曲の中身がどちらも創作的な、劇というか小説というか
ひとつひとつの曲がそれぞれの世界観を作っている曲調が多いですね。
今回の「六花」というミニアルバムに入っている曲はどれも
架空の世界や夢のなかの世界のような、幻想的な世界観を表現しているものが多い
ファンタジックでメルヘンチックな世界が楽しめます。
吉澤さんのふわりとした、はかないような雲のなかのような歌声が、ばっちり世界に没入させてくれます。
で、終わり2曲を紹介したいんですが
この「魔法はまだ」という曲、作曲が吉澤さんで作詞はなんと
YUKIさん YUKI(もとジュディマリの人ですね)さんのアルバムに収録された曲として提供されたものということで珍しい
歌詞が、他の作品と比べて明らかに分量が多くて(^_^;)
すぐにYUKIさんの曲だなぁと分かる感じ
それを、セルフカバーとしてアレンジし直して自身の曲として歌っているんですね。
分量が多いだけじゃなくて、謎なワードがかなり多いのもYUKIさんぽい
「白いラベル剥いだ VHS再生不可能ね」とか
「獣は吠える 肉を持て余してかわされる」とか
かなり意味を汲み取れないワードが連発
それもまあ、摩訶不思議な世界観といいますか
せっかくなので、元になったYUKI ver.の曲も買って聴いてみたんですが、アレンジがどしっとしてハードな感じで
歌声以外にもかなり違う雰囲気の曲になっているんですが
吉澤さんver.のほうも、アレンジがアルバムジャケットにあるような「雪の降る夜」の雰囲気、深遠なメルヘンな雰囲気で
作曲したときの元々の構想はこんな曲だったのかな、と
声が吉澤さんの声なのに、曲と歌詞のせいかYUKIさんが歌っているようにも聴こえるという
吉澤さんとYUKIさんというかなり珍しい取り合わせなのに
共通点が感じられるというのも面白い
そして、この曲の最後にラップの一節みたいなところがついているんですが、これがまたそれまでの歌の世界観とまったく別物になっていて
なんでこんな構成になっているんだー(^_^;)とまたまた謎が深まるし、
「真夜中のコンビニ 吸い寄せられてPlace to be
これくらいの箱に おにぎりをちょいと詰めて いえーい」
と、最後に「いえーい」まで歌詞に組み込まれているのが
いかにもYUKIさんぽいなー
それを歌っている吉澤さん、という構図もまた面白い
と、いうわけで印象に残る謎な一曲ですね。
対して、最後に収録されている「ゆとり」という曲
アルバムコンセプトの「青春」をどストレートに表現した
ピアノ伴奏のみで歌われているシンプルな曲
「自分の学生のころに生きていた年代が、『ゆとり世代』と名付けられていたのでこのタイトルにした」とインタビュー記事で見たので、タイトルと中身が一見一致しない感じになりますが
青春を振り返って、別れをつげるというテーマと
はかない、もの憂げな歌声
サビに入るところのメロディーでぐっと世界に引き込まれる
今の自分が、昔の自分を天井から覗きこんで見守るという情景も、歌を聴くだけですぐに脳内に再生されるし
とにかく曲の世界に一瞬で引き込まれる体験が素敵でした。
自分にはそんな大切にするような「青春の思い出」ってあったかなぁ(^_^;)とも思いましたが
なんか、学生の頃よりも20代後半くらいからのほうが
よっぽど青春だったような(^_^;)
本人の登場しない、イメージだけのMVも斬新ですが
青春ってこんな感じ とすぐイメージできるいい映像ですね。
というわけで吉澤嘉代子さんのアルバムの紹介でした。